「すぐにその男を確保してください。
彼女達に対する、
卑猥な言動の声掛け事案です。
うん、ちょっと今から向かいます。」
電話を切ったお兄さんがウンウン頷きながら戻ってきた。
もしかして・・・?
「君たちが話していた大男がちょうど今、落とし物として届けに来ていたらしい。
ここからすぐの派出所だから、
身柄確認で君たちも来てくれるかな?
パトカーの後部座席に乗ってもらって、離れた距離から確認出来るようにするから。」
まさかこんな形で、人生初のパトカーに乗り込むとは思わなかった。
もし私達が男の子だったら、もっと興奮していたかもしれないけど・・
「なんか犯罪者みたいだねウチら!」
「そうだね・・。
ちょっと恥ずかしい・・。」
外から見えないような黒い窓になっていたけど、
お兄さんが運転する後部座席で、サイレンを聞きながらもう1つの交番へと向かう。



