鳴り響け、復活のソナタ



「ハァハァ・・ハァハァ・・。
キョウコ大丈夫?」


「うん・・ハァハァ・・ハァハァ・・。
久し振りに走ったかも・・。」


人混みをかき分けて、追いかけられていないことを確認すると、

全力疾走からスピードを緩める。



「もうっ!なんなのよ折角楽しくクレープ食べてたのに!!!!」


「・・・・・・・・!?
・・え・・え・・え!!?」


「・・キョウコ?
どうしたの・・?」


「無い・・・・財布が無い!!」


「え!!?」


何も落としてないよね・・?
って一応、鞄を確認すると、

そこには絶対になければいけない物が・・無い・・。


え~っと・・え~っと・・!
2分前の記憶を必死に辿る。


あの変な男の人にぶつかって、
クレープを買って右手に持って・・


「小銭が出来たからクルミちゃんに500円玉返そうと、財布を左手に持って・・。」


「うんうん・・!」


「男の人に話し掛けられて、
変な人だって分かって・・・。」


「私の右手と繋・・・」


「「・・・・あ・・・・・。」」


クルミちゃんと手を繋いだ私の左手・・


「逃げなきゃと思って・・
財布・・思わず手放したかも・・。」


「戻ろうキョウコ!

大丈夫、いざとなったら大声出せばみんなこっち向くから、変な事なんて出来ないよ!」


「う、うん・・・。」