第4章





霊視刑事 星野ヨシヒト 
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“ガラガラ”


「いらっしゃいま・・あ、星野さんおはようございまーす!」


「おはようカエデちゃん。」


良い言い方をすれば“老舗”、
悪い言い方をすれば“オンボロ”。


朝から営業する街の定食屋さんとして、
常連客も多い“元気飯”の扉を開けると、

いつものようにバイトのカエデちゃんが朝からお腹いっぱいの笑顔で迎えてくれた。



「豊川さん。おはようございます。」


「・・・おはようございます・・・。」



そのままお店の一番奥のカウンター席、
左から2番目の“定位置”まで向かった。


「君がわざわざここに来るという事は、朝から事件ですか?」


「はい。5丁目の建設途中のビルで、
若い男性2人の死体が見つかりました。

関本主任や、長くん達はもう現場へ向かってます。」


「“建設途中のビル”と聞くと、
作業員の事故が連想されますが、

私達が呼ばれたと言う事は・・・?」


「はい、転落などの事故の様子は無さそうで、殺しの可能性が濃厚・・との事です。」