浦島先生からもお父さんからも、“ホントにそれでいいのか?”と何度も言われた春が過ぎ、

店長さんに“ウチとしてはウェルカムだけど・・それで大丈夫なの?”と言われた夏が過ぎ、


空っぽのまま、
いつの間にか季節は秋になっていた。


きっとこの先もこんな感じで、
気がつけば卒業式を迎えて、

高校の友達とも、東京の専門学校に行くクルミちゃんとも離ればなれになっていくんだ。




「「なんで~もないや♪
やっぱりなんでもないや♪
今か~ら行くよ♪」」


いつの間にか熱唱の域に入ったクルミちゃんの圧に押されながら、

控え目にマイクと口の距離を開けながら・・


高校の友達と1回、
クルミちゃんと1回。

計2回映画館で観た主題歌を歌い終・・


「・・???」


曲が終わるのと同時に、

最近バイト仲間に加わった後輩君がポカ~ンと私の顔を見ている事に気付いた。