アクビをするフリをして、
再び溜まり始めた涙を見られないように、足早に自分の部屋へと戻る。
・・・自分の脳内に腹が立つ・・。
なんで・・あの日が夢に出てきたのよ・・。
なんで・・わざわざ・・
お母さんの命日を・・
私が・・空っぽになった日を!!
「ウゥゥ・・・・ウウゥ・・
・・ウウウウゥ・・!!!」
リビングのお父さんに聞かれないように、
枕を顔に押しつけて、
溢れる涙と鼻水と声を押し殺す。
あの時・・結果が違ってれば、
お母さんは死ななかった。
私が惨敗を喫さなければ・・
レインボーホールへお母さんを連れて行く事が出来ていたら・・
手術の結果は変わっていた。
お父さんも、お隣の増田おばちゃんも、
病院の先生も、
顔が覆われて眠るお母さんの前で、
そう泣き叫んだ私を必死に鎮めてくれた。
“負け犬・・負け犬・・
負け犬負け犬負け犬!!!”
他の誰でも無い、
自分の声が脳内に響き渡る。
小学6年生の時、私は死んだ。
空っぽになったのに・・
時は過ぎていく。
明日、浦島先生にちゃんと進路希望を出そう。
“バイト先の店長さんに雇ってもらいます”
「時給800円ぐらいのほうが、
空っぽの女には似合ってるでしょ?」
またプリントで叩かれても、
そうやって言えばいいんだ・・。



