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「お母さん聞いて聞いて!
最終選考会まで残ったよ!

これで選ばれたらなんと!!

あのレインボーホールで弾けるん・・
・・・・・・・?」


「・・・・・・・・。」


「お母さん?どうしたの?」


「・・・うん?あ、ごめん。
何でもないよっ。」


「・・・・・・・・。」


「凄いじゃないキョウコ。
じゃあ・・お母さんも頑張らないと!」

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「・・ウゥゥ・・スッ・・ヒック・・。」


「心配すんな。
お母さんは絶対負けない。

だからキョウコも、
バシッと最終選考を勝ち抜いて、

退院したお母さんをレインボーホールに連れて行こうぜ!」


「・・お母さん・・・・
・・死んじゃうの・・?」


「コラッ。そういう良くない事は言ったらダメだろ?」


「“ガン”・・って治るの・・?

お母さん・・また私のピアノ聴いてくれるの・・?」


「大丈夫だよ。

手術の日と被っちゃったから、
俺も会場には行けないけど・・。

キョウコの付き添いは、
お隣の増田おばちゃんに頼んだから。

だからこっちの事は心配しずに、

いつもみたいに、
楽しんで弾いてきなさい。」



「・・・ウゥゥ・・スッ・・
明日・・お母さんと約束してくる・・。

絶対に・・絶対に金賞取って、お母さんをレインボーホールに連れてく・・!」

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