「・・あ、そういえばあの事件・・。」
「・・・・・・。」
「どうやって被害者2人から被疑者の名前を自供させたんですか?
会場側との連携が取れたのは、
豊川さんが被疑者の情報を引き出してくれたおかげでしたが、一体どうやって・・?」
「2つ、少々荒い手を使いました。」
「・・・・・・。」
「私は普段、被害者達に嘘をつかれる立場ですからね。
だからあの時は逆に・・
私が嘘をついてやりました。」
「というと・・?」
「坊主君と茶髪君。
2人とも落とすのは至難の業です。
だから1人だけにターゲットを絞って攻撃しました。」
「茶髪君・・?」
「・・君もまだまだ青いですね。
一見するとあの2人のうち、茶髪君のほうが感情的でボロを出しやすそうですが、
私が狙ったのは坊主君のほうです。
ああいう大人しそうな子ほど、煽られると簡単にボロを出しますからね。」
「なるほど・・勉強になります。」
「“至近距離で嗅げばある程度の効果は発揮するが、ソマンなんてサリンの10分の1の殺傷能力しか無い”
“広い会場で使ったところで、
ステージには絶対に届かない”
“家庭用マスクを付ければ防げる”
“お前らまだ騙されてた事に気付いてないのか?”
“お前らはただの犬死にだ”
こちらの挑発に、
まんまと坊主君は乗ってくれましたよ。
『ヨシオ君を舐めるな!』
“同志”と呼んでたはずなのに、
名前をポロッと出してくれました。」
「あとは被害者のスマホや、
SNSの友達の中から、
“ヨシオ”と名前の付くfi☆veファンを見つけ出したんですね・・。」



