「そういえば、今更だが良い機会だ。

お前と共に歩いてきて20年経つが、どうしても分からなかった事が1つある。」


「なんだ?」


「お前の行動に無意味な事なんてないということは重々分かったが、

1つだけ、お前の意図が今でも分からない。」


「ウハハ、勿体ぶるな。
さっさと言ってみろ。」


「どうして俺にスカウトをさせた?」


「・・・・・・・・・・・・。」


「結果的にお前は1人1人の個性を引き出して、キョウコという原石をも蘇らせた。

だがいつものお前だったら、

遠回りなんかしないで最初から“勝てる”メンバーを自分で決めて、

最短距離で天下を取りに行くはずだろ?」


「・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・。」


「・・・ウハハ・・簡単な事だ。」


「・・・・・?」


「てめぇで選んだメンバーだったら愛着なんざ沸かねぇ。飽きたらすぐに切っちまう。」


「・・・・・・・・・・。」



「だが、友人が選んだメンバーだったら愛着が沸くじゃねぇか?」



「・・・・・フッ・・。」


「ウハハ!」


「背筋が寒くなったぞ。」


「ウハハ!俺もだ。そんな事より焼きそばが切れた。買ってこい。」


「小っ恥ずかしいからって急に社長感を出すな。・・・自分で行ってこい。」


「ウハハ、じゃあ久し振りに2人でコンビニでも行くかぃ?」