「6月30日の夜、この2人の後に、誰かここに来た人物はいませんでしたか?」


『ちょ、ちょっと待っておれ。
今日は何月何日じゃ?』


「あ、そっか日付の感覚が無いですよね・・。今日は7月7日の七夕です。」


『じゃあ一週間前か・・・
ちょっと待っておれ。』


「・・・・・・・・・・。」


『・・・・・いやぁ・・・
誰も来なかった気がする。』


「え・・間違いありませんか?」


『おお。』


「・・じゃあ待ち伏せ・・?
この2人の前に来た人物・・・。」


『前も後も同じじゃ。
誰も来とらんよ。』


「・・・???・・・」







「星野君、お待たせしました。

初めまして、彼とバディを組んでいる豊川と申します。」


『おいおい・・
あんたも儂の事が視えるんか。』



「豊川さん、あの電柱の女性はどうでしたか?」


「ただの口裂け女でした。おかげで今夜は怖くて眠れそうにありません。」


「そうですか・・それより、
こちらのお爺さんに話を聞く限り、

誰もこの現場に来ていないそうなんですよ・・。」


「・・それは妙な話ですね・・。」


『な、なんじゃ?
そんな疑いの眼差しで儂を視るな。』




「「・・・・・・・・。」」


僕と豊川さんの間で沈黙が流れてしまう。


このお爺さんが嘘をついているとは思えない。


でも・・誰も近づいていないはずなんかない・・。

だとしたら・・・一体・・?



『それはそうと、なんでお前達は2枚しか写真持ってないんじゃ?』


「どういう事ですか?」