第11章





霊視刑事 星野ヨシヒト 
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「ヒュー!オレって天才?」


「やはり・・君はただの親の七光りではなく、本物の天才です。」


ここ数日、作業場に籠もって・・

徹夜明けとは思えないほどの軽快なステップを踏む鑑識班 長くん・・は置いておいて、

長くんが突き止めた“解剖資料”に、
豊川さんと二人で釘付けになっていた。


「間違いないっす。被害者を死に至らしめたのは“ソマン”です。」


「やっぱり“毒ガス”だった・・。」

「毒としての効力はサリンより強いと言われている代物ですね。」



「テツさん、ヨシト君。

素人にこんな化学兵器が作れるとは思えないっす。

だから犯人は、薬品関係にかなり高度な知識を持っている人物のはずっす!」


「「・・・・・・。」」


「そんでもって・・男2人を殺す為だけにこんな代物を生み出すはず無いっす。

ソマンもサリンと一緒で、

揮発させてガス化させれば、
最悪の殺戮兵器になります。

これはホントにやばいっすよ!?」


「駅・学校・病院・・人が多く集まる場所にこれが撒き散らされれば・・。」

「想像するのも恐ろしいですね。」



「じゃあそういう事で!
オレの出番はここまで!!」