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「もうすぐ車の手配が出来るので、
もう少し待っててください。」
ライブが終わった後、
まるで私達のゲリラライブを初めから知っていたかのように、
警備員の皆さんや空港職員の人達の手際良い速やかな撤収作業が進み、
集まってくれた皆さんもすっかり解散して、
あっという間にライブ開始前と同じ状態まで戻ろうとしていた。
「やばいやばい!
めっちゃ楽しかったね!」
案内された即席の楽屋では、リーダーを中心にメンバーみんなの興奮が続・・
「あの~すみません、
イッセイさんはいらっしゃいますか?」
「ウハハ、どうした警備員君?」
興奮冷めやらない私達とは対照的に、
電池が切れたかのように、隅っこでイスに深くもたれていたイッセイが立ち上がる。
「あのそれが・・
“どうしてもイッセイと話したい”と訴えるファンの方がいらっしゃって・・。」
「ウハハまぁ待て。・・・ゴリ。」
「あぁ。」



