「もう1つ付け加えるなら、茶髪君の証言は最初から信憑性に疑いが残ります。」
「え・・?」
「彼は何歳ですか?」
「え~っと・・確か・・
23歳の会社員です。」
「既に彼が“若い”のに、
不思議な表現をしますよね。」
「・・・?」
「もし私のような、間もなく50歳という大台が近づくオッサンが、
20代の女性から攻撃を受けたら、
『若い女に襲われた』
と証言してもおかしくありません。」
「・・・・・・・・。」
「しかし、今回の被害者は23歳の若者です。
既に彼自身が若いのに、
『若い女』と言われたら・・
犯人は小学生ですか?
何故『自分と同年代ぐらい』と表現しなかったんでしょうね。」
「・・・・それはつまり・・・?」
「坊主君が証言した“年配男性”と対極的な言い方をして、
よりチグハグ感を強調させたかったのかもしれません。」
「じゃあ茶髪君が嘘をついている・・?」
どっちだ・・・?
どっちが本当の事を言っている・・?
坊主君、茶髪君。
それぞれ腑に落ちない点もあったけど、
早く結論を出さないと・・
年配の男か・・若い女性か・・・。
一刻も早く関本主任や仲間の皆にも情報を伝えて、被疑者を確保しないと・・!
「星野君。」
「あ、はい。」
「・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・?」
「こうは考えられませんか?」
「なんですか・・・?」



