『あ、刑事さん・・。』


「改めまして星野です。」
「豊川です。」


『捜査の方はどうですか・・?』


「少し行き詰まってます。

その為、お手数ですがもう一度君が見たものを確認させて頂けますか?」


『はい、もちろんです。』


豊川さんが半歩下がった。

“君が話を進めてください”という無言のメッセージを受け取って、手帳を取り出す。


「君が見た犯人・・
“年配の男性”について、

何か他に特徴は無かったかな?

聞き込みをする際にその情報を基にしようと思って。」


『そうですね・・・。

髪は全部白髪で、シワが結構あったから60代ぐらいだったと思います。』


「体型はどうだったかな?
例えば太ってたとか・・?」


『いや・・痩せ型というか普通だったと思います。』


「香りはどうかな?

香水の匂いがしたとか、
制汗剤の匂いがしたとか・・?」


『いや・・そういうものは感じなかったです。』



“若い女性に襲われた”と証言する茶髪君が、

“女性”と判断した理由に“良い香り”と、“Dカップが背中に当たった”と言っていたので、

もしかして・・?とも思ったけど、
どうやら違うようだ・・。