「残念だけど。全部、思い出したよ。祐司。」
「兄さん!」
「大丈夫。」俺は祐司の頭に手を伸ばした。その手はスカッと通り抜ける。触る事の出来ない弟に俺の胸は少しだけ痛んだ。
「帰ろ?奏悟達が帰って来たら話すよ。」俺は言って、三人で帰った。
帰ると、いつも通りソファに座った。祐司達は黙って部屋に籠もっていた。
夕方、奏悟達が帰って来ると、俺はリビングに四人を集めた。
「思い出した。全部、死んだ理由も事故の原因も。」俺が言うと、四人は黙って俺を見ていた。
「話してもいい?調子悪くなったら言ってな。やめるから。」四人は静かに頷くと真剣な眼差しで俺を見た。