俺の体は日に日に透けていった…
もう、ここにはいられない。笑って過ごすのが精一杯。
「兄さん。どこ?」と奏悟が言う。
「ここ。」と言うと奏悟は目をしかめて俺を見る。
「あぁ。透けすぎて見えづらい。」
最近は奏悟のように言う人がほとんどだ。
「で、何?」と訊くと、
「こっち来て。」と奏悟は手招きした。俺が行くと電気が消える。
「兄さん。」祐司の声がした。
「無理しないでねって言ったじゃん。」と言われる。
「無理はしてないよ。」
「うそ」と蒼司の声。
「俺ら知ってるよ。」景都の声もした。
「何言って…」と言うと、電気がついた。