蒼司と祐司が準備している頃、大学生の奏悟と景都が出かけて行った。数分すると、二人が来て、俺は蒼司の肩に憑いた。本当は祐司に憑きたいところだけど、祐司は憑くと調子が悪くなるらしい。
「ちょっと、蒼司。もうちょっと優しく歩いて。」俺は言った。蒼司の歩き方は乗り心地が悪い。
「ごめん。」と言われるけど、歩き方は直らない。
「まぁ、兄さん。もうそろそろ着きますから。」と祐司が俺を見て言った。
「ほら、着いたよ。」と言われ見ると、そこは工事現場だった。
「兄さん、ここで働いてたんだよ。」と祐司は言う。
「今、工事してないの?」俺は動いていない重機を見て言った。
「兄さんが死んでからやってないんだよ。」と蒼司が教えてくれた。