少しすると奏悟が来た。
「奏悟兄さん。なんだって?」と景都が訊く。
「飲酒運転した車に轢かれたって…頭を強く打ったみたいで意識が戻るかは五分五分。まだ油断は出来ないみたいだ…」奏悟の言葉は俺らを奈落の底に落とした。
「名前は?」
「え?」
「蒼司を轢いたのは誰なんだよ!」祐司の声は暗く俺らは驚いた。言った本人も驚いているようだ…
「伊地山龍矢。」奏悟はボソッと言った。
伊地山龍矢…聞き覚えのある名前だった。
俺は頭をフル回転させ、伊地山龍矢の名前を探す。一人だけ心当たりのある人物を思い出した。
「新人だ…」俺が言うと全員がこっちを向いた。