奏悟の運転で病院に着くと俺は、幽霊の体を活かして蒼司の病室に入った。
機械に囲まれている蒼司はどこか小さく見えた。
俺の後に来た景都と祐司は蒼司の姿を見て立ち止まった。
「奏悟は?」と訊くと、
「話聞いてる。」と景都が言った。
「そうか…祐司?」俺は何も話さない祐司が心配で呼びかけた。
祐司は泣いていた。蒼司のベッドに縋り付くと手を握り声を押し殺して泣いていた。
「蒼司…」と言う祐司の声は蒼司に一切届いていない事を俺は悟った…
でも、どうしても言えなかった。届いていないなんて…