弟達のブラコンを知ってから数日。
その日はやたらと蒼司の帰りが遅かった。
ブラコンじゃない俺でも心配になる。どうしたのかと相談していると、電話が鳴った。
奏悟が電話で話すのを俺らは固唾を飲んで見守る。少しずつ顔が白くなる奏悟に俺は不安になった。父さんの時とどこか違う。受話器を置いてこちらを見た奏悟の顔は泣きそうだった。
「奏悟。どうした!」俺が訊くと、
「蒼司が車に轢かれて病院に!」奏悟の目から涙が落ちた。
「それで?」
「意識不明だって!」
俺と奏悟が動けないでいると、
「二人して何やってんの!」と景都に言われてハッとする。
「奏悟!車は?」
「車検から戻ってるから出せる。」