「ねぇ、夕紀兄。今日、俺と祐司休みだけど、兄さんが死んだ場所に行ってみる？」と蒼司が言った。
「う〜ん」少しだけ悩んだ。
「良いけど、メンドイ…」俺が悩んだ理由は面倒くさいからだ。
「幽霊になってから、そういうの多いよね。」と朝食を作っていた奏悟が笑って言った。
「行って来なよ。思い出すかも死んないじゃん。」そう景都に言われ、
「じゃ、連れてって…」と蒼司の肩に憑いた。
「ん。分かったから、後で憑いてよ。気になって飯が食えん。」そう言われて俺は渋々肩から降りた。
「兄さんって幽霊だから本当に腹減らないの？」と景都はいつも通りに訊いてきた。
「減らないよ。てか、誰か憑れて来て良いよ。俺が食べるから。」俺が言うと、弟達の間に冷たい空気が流れていた。