「兄さん?どうしたの?」と祐司の声でハッとする。
「え、あぁ。いやなんでも…」
「何でもなくないだろ!」
「蒼司…」
「夕紀兄さん。」と奏悟が俺の顔を見る。あの時、奏悟には全て話した。奏悟に言われ俺は頷き、
「聞いてくれる?」俺は四人が自分の事を見た事を確認すると、
「俺、景都の家出について行ったあの日から、母さんとの思い出が曖昧になってんだ。」
「は?」と奏悟以外が戸惑っていた。
「兄さん、嘘だろ?」と蒼司が言う。「本当だよ」と言うと、落胆したのか肩を落とした。