「でも…」と言う景都。俺は景都の首筋を指でなぞる。
「兄さん!」と景都は怒った。
「ハハッ。大丈夫だよ。許してくれるさ。」笑いながら言うと元気よく景都は頷いた。
昔っから二人はテスト前になると喧嘩をしていた。理由は今回の家出理由と一緒で景都が奏悟の邪魔をするからだ。奏悟もついキツイ事を言ってしまうと悩んで、景都もやりすぎると言って悩んで似た者同士だ。その喧嘩を見て仲裁に入るのが、かあ…あれ?誰だっけ…俺は見てるだけだった。だから俺じゃない…じゃあ誰だ?
「兄さんどうしたの?」悩んでいると景都が訊いてきた。
「あ、いや…ほら、いっつもお前らの喧嘩の仲裁に入ってるのって誰だったっけ?」
「え?今は兄さんだけど、前は母さんだったじゃん!」と景都は言った。