そこで目が覚めた。祐司は寝たまんま。そっと頭に触れると祐司は、
「夕紀兄。どこにも行かないで」と言った。
俺は驚いた。寝言だった事に安心する。一回寝たら起きない祐司。
いつまで経っても寂しがりやのかわいい弟だ。
ちょっとした後悔が心に広がる。
俺はまさかあんなに呆気なく死ぬとは思ってなかったし、楽しい日常が続くと思ってたからどこか悔しい。
死んでから一ヶ月したけど、弟達を見るとどうしても何もしてあげられない自分が嫌になった。