「俺、怖いんだ。蒼司はやりたい事見つけて、進学を選んだ。周りもやりたい事見つけてる。なのに俺は何にも決まってない。」そう言って祐司は顔を隠した。
「祐司…」まだ高二なのにそんな事を悩んでる。祐司の方がよっぽど大人だよ。と俺は思った。
「祐司。そんな急ぐなよ。お前のペースで決めたら良い。」俺が言うと祐司はポロポロと泣き出した。
「なんかあったら、俺でも海外にいる父さんでも良いから相談しろよ。」
「うん」と祐司は頷いた。
「お前は本当に寂しがりやだな。」そう言うと祐司は首を横に振って否定した。
少しそっとしておいてやろうと、俺は話す事を止めると寝息が聞こえた。