心配になった俺は、同じ大学に通う景都に頼んで、憑いて行った。景都はわざわざ奏悟と時間をずらしてくれた。道中、俺は景都に
「奏悟って学校でモテんの?」と訊いた。
「うん。結構モテるよ。」と景都はあっさり。
「で、本人は気付いてるの?」
「奏悟兄の事だからな、気付いてないと思う。」と景都は言う。
二人の大学に着くと、早速、女に囲まれている奏悟を見つけた。
ちょっとした素振りでもキャーキャー言われる奏悟は鈍感なのか、隣の奴にお前のことだろ?と言うかのように肘で突いていた。俺は、それを見るとよっぽどだなぁ。と思い、そっと景都から離れると奏悟に憑いた。
奏悟は驚いた顔をしたが、直ぐに平然戻すと、トイレに入った。