制服に着換え、教室に戻る途中 私は、なんだか夢見心地だった。 さっきのユキさんとの会話――ユキさんの甘い声が頭の中を無限にループしている。 『ははは』 『かわいーね』 『俺がとってあげたから?』 『流されちゃったのかな』 『モモ』 息がかかりそうなくらいの近さから聴こえたユキさんの囁き声が、いつまでも耳から離れない。 思い出すと、顔が熱くなる。