はやく俺のモノになればいいのに

もしくは、恋愛ゲームの主人公。


素敵な人と出会い

運命の再会を果たし

ドキドキするイベントが発生してしまった――みたいな。


きっと、夢のような時間なんて、すぐに醒めてしまう。


願わくば先輩と、もっと、こうしていたい。


「あ! もしかして、あのときゲーセンにいた中坊!?」


思い出したように言ったのは、比嘉先輩。


四人の中で圧倒的に髪が明るく、その色は白に近い金髪だ。


「高校生です……!」

比嘉先輩の方を向く。


「同じ学校だったとはなー。ウケる」


大きな口をあけて少年みたいに笑っている。

懐っこい笑顔を見せられると、なんだろうか、怒る気が失せていく。


これが年上キラーである彼の武器……?


「モモだね」


――え?


「うん。モモだ」