はやく俺のモノになればいいのに


「ちなみに。この作戦考えたのは、彼」


と隣に立つ朝霧先輩に視線を向ける桜井先輩。


「人使い荒いよねえ」
「桜井の使いどころって。こういうところだろ」


爽やかなお兄さんって顔して腹黒かったんですね、朝霧さん……!


「ありがとサクラ」

と、ユキさん。


「ユキから感謝される日がくるとは」
「ありがとうございます。桜井先輩、朝霧先輩……!」


それでも完全に消えたわけじゃない。


既に出回ったものの拡散を止めるのも個人が保存したものすべてを削除させるのも不可能に近いだろう。


見えない場所で好き勝手言われたり、また表に出る日がやってくるかもしれない。


だからこそネットは恐ろしい。


「サクラ」


ユキさんの声のトーンが下がる。


「投稿したやつも割り出せる?」