はやく俺のモノになればいいのに


ユキさんのクラスの優勝が決まり、球技大会は閉会式の準備へとうつる。


そんな中で

イチヤくんがプールサイドで私になにか言っていたのに、聞こえなかったことが、どこか引っかかっていたとき。


「え、なにこれ」


――――?


「この子って、御幸先輩と一緒にいたって噂の……」


優勝ムードとは別に、周囲がざわつき始めた。


そして、その子たちは

揃いも揃って携帯の画面を覗き込んでは


私に視線を向ける。


「貸せ」
「やっ」


イチヤくんが、一人の女の子から携帯を取り上げた。


「なにする……の」


イチヤくんを見た女の子は、自分の携帯を奪った相手がイチヤくんだと気づくとそれ以上の抵抗はしない。


というよりは、固まったように見える。