それから実柑と合流し
3人で、3年男子決勝戦に向かった。
「……やるじゃん。御幸先輩」
と意外そうにつぶやいた実柑が
「クズなことしても、あんなカッコいいとか。反則」
悔しそうに……
いや、恨めしそうにしている。
ユキさんは相手からボールをカットすると
すぐに方向転換し、その場から軽快にスリーポイントシュートを決めた。
それは一度限りの奇跡でも偶然でもなく
不意なパスにまで瞬時に反応し、着実に、そして見事に相手チームとの点差を広げていく。
そんなユキさんを
「うめえな」
イチヤくんが、褒めた。
「ただのセンスいい天才肌ってわけじゃなさそうだ」