泉谷さんは、怪我してるようには見えない。
そして保健室には私しかいなかった。
……心配してきてくれたの?
「試合中に、ぼけっとしてた私が悪いの。見えててもボールよける瞬発力? みたいなの……ない方だし。スポーツしてたら怪我しちゃうのは避けられないし。泉谷さんが責任感じないでね」
私の言葉に女の子が目を見開く。
「なにか隠していますね」
と私の背後から言ったのは、谷崎先生だった。
先生から目をそらし、うろたえる女の子に、谷崎先生は続けた。
「頼まれでもしましたか」
――――!?
「……っ、はい」
どういうこと?
泉谷さんは、なにを隠しているの?