一番近い人間も
一番近い異性も、まどか。
それは俺の中で不変的なものだった。
そんなある日
俺にとってはなんの変哲もない毎日が
変わってしまった。
「まどか」
「んー……?」
リビングのソファでだらしなく眠る姉を見た弟の反応は、世間一般では、どういうものなのだろうか。
「こんなとこで寝ないで。部屋いけば」
風呂上がり、瑞々しく濡れた髪
火照った肌
一枚だけ羽織られた大きめなシャツと
そこから伸びた白く細い脚
ほんの少しシャツの裾から除く下着
「うーん……いく、けど」
気づいてしまった。
知らないままでいれば良かったのに。
俺は、まどかに
「ベッド連れてって」
血の繋がりがないとはいえ
"家族"相手に
「襲うよ」
「んー……」
どうしようもなく欲情していたんだ。


