はやく俺のモノになればいいのに

「本日使えるクーポンでーす」


道端で渡されたポケットティッシュに、近くのカラオケ店のクーポンがセットになっていた。


「ユキさん、カラオケ行ったりします?」
「たまに連れてかれるね」


桜井先輩たちと行くのかな。

朝霧先輩とは付き合い長いんだっけ。


「モモは?」
「私は家族と何度か……行ったきり。全然ですね」
「行ってみようか」
「え?」
「すぐそこにあるよ。そんなの配ってるってことは満室ではないんじゃないかな」


たしかに。


「どうする」
「行きます……!」