はやく俺のモノになればいいのに

大通りで信号待ちをしていたとき

私の名前を呼んだのは、知らない声だった。


誰?


「こっちだ」


あたりを見渡す。


すると、すごく背の高い人がいた。


ユキさんより高いから190近いだろうと思う。


「桃葉だろ」


顔をあげて、ギョッとした。


髪が赤かったから。

ドチラサマデスカ。


こんな不良知らない。

知ってても関わらない。


「ウケる。お前なんも変わってねーの」
「……え?」


会ったことありますかね。

ハスキーなイケボのお兄さん。


「何年ぶりだ。7年とかか」


ということは、最後に会ったのは、逆算すると小学3年くらい。


……その頃に離れたのって。

まさか、


「イチヤくん?」