はやく俺のモノになればいいのに

完食したあと、幸せを噛み締めながらレジへ向かう。


伝票を渡したユキさんがスムーズに一万円札を店員のお姉さんに渡す。


ああ、最初にお会計分けてくださいって頼めばよかった!


細かいのあるかな。


慌ててお財布を鞄から取り出したとき


「あれも下さい」


ユキさんが、なにかを指さす。


ぬいぐるみだ。


それも、一番高いやつ。


「え、ユキさん……ええ?」
「欲しいのと違った?」
「いえ。喉から手が出るほど欲しい……ですが」
「他のは? トートバッグとか。飴の入った小瓶とか、ここで提供されてたのと同じ食器なんかもあるけど。どれがいい?」


いやいやいや!

そんなリッチな買い物するわけには!


「言いなよ。買ったげるから」