翌日、家を出るときお母さんにジロジロ見られた。


「出掛けるの? ゲームセンターにしては……」


足元から頭のてっぺんまで、観察される。


めかし込んでるって言いたいんだよね!


そうだよ私のわりには時間かけて服選んだし寝癖もないよ!


「となり街のカフェに行くの。高校の友達……と」
「ふーん。わざわざ電車に乗って?」
「カフェ猫のコラボで! 限定だから!」
「ああ、そういうこと。お小遣い足りる?」
「なんとか。たぶん」


実柑は、年上なんだから先輩におごってもらえーなんて言ってきたなあ。


ちゃんと払うよ……!


「ちょっと待って」


お母さんに、1000円札を3枚渡される。


「え、いいの?」
「電車賃とお茶代くらいにはなるでしょ」
「なるなる! お土産も買えるかも」
「ほんと好きね」
「かわいいもん。ありがとう!」
「よかった」