はやく俺のモノになればいいのに

(嘘っ……)


慌てて振り返ると――


「日替わりランチ。まぁまぁイケる」


サラサラの黒髪

すらりと高い背

小顔に整った目と鼻と口


そして、口元の――ほくろ。


「新入生の前でイキるのって。すごくカッコ悪いね」
「……っ」

文句を言っていた上級生たちが、言い返すこともせずに黙り込む。


(どうしてここに……?)


浮かんでくる疑問を一旦呑み込むと

前を向いて日替わりランチの食券を買い、慌てて列から外れる。


そのとき


ポン、と肩に手を乗せられた。


「忘れもの」


(え?)


手には、しっかりと食券を握りしめている。

なのに忘れ物なんてあるわけが……。


「ほんとどんくさいね」