どこにって?


それはもちろん…バイトへ。


母と義父からは当たり前のように仕送りはない。


父がくれた手切れ金は母と義父が使い果たした。


残っていたとしても私にはくれるはずがない。


だからバイトをして自分で稼ぐしか無かった。


バイトは本屋とコンビニをやっている。


今からは本屋のバイトだ。


理由はわからないけど、時給が高いから選んだ。


本屋につくと、店長が声をかけてきた。


「恭夏ちゃん、今日はこの本をお願いしていい?」


「わかりました。」


本屋でのバイトで私がよくやるのは、本棚に本を出すこととレジ打ちだ。


基本的にバイト仲間はいない。


正確に言うといるにはいるんだけど、必要最低限以外は喋らないし、よく交代しているからあまり関わらない。


そんなことを考えながらあれよこれよと言う間に本屋でのバイトは終わった。


そのまま、次のコンビニのバイトに直行だ。


「店長、お疲れ様でした。」


「うん、また明日ね」


「はい。」


ちなみに本屋のシフトは月~木と土曜日でコンビニのシフトは月~土曜だ。


ちなみに今は午後6時50分。


コンビニのバイトは7時から10時まで。


遅くまで働きすぎだと言われるけど、働かないと生活できない。


コンビニにつくと、着替えてレジに入る。


「店長、今日もよろしくお願いします。」


「あ!如月さん!今日もよろしくね。」


「はい」


「あと、今日、北野さんは休みだから」


「わかりました」


北野さんとは北野 翔さんのことだ。


同じ時間帯のバイト仲間でそれなりに話したりはする。


翔さんは大学2年生らしい。