「キャ〜!」


バッシャーン。


か、カッパ買って良かった…。


イルカショーを見ながら危うくびしょ濡れで帰るところだった。


「すご〜!!」


隣に座ってる瑠姫ちゃんは大はしゃぎ。


対して深澤君は…。


うん、そうだよね。


濡れたことが嫌なのか仏頂面だ。


深澤君は後ろに座りたいと言っていたのだが、瑠姫ちゃんが絶対前!と言い張り1番最前列に座ったのだ。


それにしても圧巻の迫力だ。


フラフープの輪を抜けていくイルカに飼育員さんとボールで遊ぶトド…。


水族館ってこんなに凄かったっけ…。


私が最後に水族館に来たのは小1の時。


だからかほとんど記憶が無い。


唯一残ってるのは母親にイルカのかわいいキーホルダーを買って貰ったこと。


今思えばあの頃が1番楽しかった。


そんなことを思ってる間にイルカショーは終わった。









観客がぞろぞろと帰り始めている時だった。















ー「次どこ行きたい?かな」



















あの人の声が聞こえたのは。