担任の話が終わると各自自由になった。


委員会は明日決めるらしい。


帰宅する子もいれば、食事をする子もいる。


親子で集まっている所もいた。


ちなみにここ、華木学園は結構なお金持ちが通う学校だ。


進学校でもあり、名門校でもあるここは、授業料などがめちゃくちゃ高い。


なので、お偉い様方のご子息やご令嬢などがとてもいる。


私は一般家庭であり、そんな大金を待っているはずもなく、奨学金で通っている。


一般家庭、ではないか…。


少し、うちの家は複雑だ。


私が仮面を被って生きていくことを決意したのも家庭が原因の1つだ。


そんなことを考えていたら、瑠姫が話かけてきた。


「ねえねえ、恭夏ってどこのご令嬢なの?」


これが普通だ。


"どこかの"では無く"どこの"だ。


令嬢であるのが当たり前のように言ってくる。


少しムカついたが、愛想笑いをする。


「うーん、私はご令嬢じゃないんだよね…。普通の一般家庭なんだ」


普通ではないけど説明するのも思い出すことですら嫌だ。


「そうなんだ!」


瑠姫は悪びれる様子もない。


「じゃあ、奨学金で?」


「うん。」


「へぇ〜、ほんとに恭夏はすごいなあ!」


あまり、この話をしたくなくて、別の話題にした。


「ねぇ、一緒にご飯食べに行かない?食堂見てみたいし!」


「それいいね!じゃあ、行こう!」


そう言って私達は食堂へ向かった。