悠side


「なんだ?」


静かに聞き耳をたてている俺は現在狸寝入り中だ。


どこから起きていたかと言うと…


「深澤君って恭夏のこと好きなの?」


「ゴホッ、ゴホッ」


「なに言ってんだ!!」


あ、しまった…。


「うわっ!悠君起きてたの!?」


びっくりしすぎて、思いっきり反応してしまった。


「あ、ああ。まあ、途中から…。」


「そうなんだ…。びっくりした〜。で!どうなの?深澤君!」


どうなんだ…。


ゴクリと唾を飲んで待っていると、


「…。よくわからない。」


というよくわからない返答が返ってきた。「好きじゃないのか?」


俺の望んでいる返答はもちろん好きじゃないだ。


恭夏は妹みたいな存在だ。


小さい頃から俺の後ろをトクトクついてきて、よく兄弟と間違えられた。


親同士も仲が良いというか、親同士で話があったからほぼ毎日一緒に遊んだ。


おかげであ互いの家は自分の家のことのように構造が覚えていた。


恭夏は俺のことを初恋の相手と言っていたがそれは昔の話だ。


もちろん、数年間連絡すら取れない状況で、しかもうお互い高校生だからもう兄弟とは間違えられないだろう。


だけどだ!(仮)でも兄として妹のことを好きと言われたらぶっ飛ばしたくなるだろ!?


まあ、こんなことを恭夏に言ったらどう返されるかは目に見えているけど…。


「好きではあるけど、恋愛感情なのか友情なのかわからない。興味はあるけどそれが好きだからなのかがよく分からないんだ。」


「へぇ〜、好きだったら面白かったのにな〜。」


上枝はそう言ったが俺は心底ほっとしたよ。


「じゃあ、悠くんは?」