…なんで悠はこうも絶妙なタイミングで来るんだろうか。


そう心の中では悪態をつきながら、


「おはよう!悠!」


愛想笑いで悠に話かける。


悠の歪んだ顔にももう慣れてきた。


「おはよう、恭夏」


「おーい!恭夏〜!」


どうやら瑠姫ちゃんもきたようだ。


「おはよう!瑠姫ちゃん!」


「恭夏〜!やっぱり癒される〜」


「だからどこが癒されるの?」


瑠姫ちゃんは最近いつもこうしてくる。


「私のどこが癒されるの!?」


「そういう無自覚な所〜。」


「私はしっかりしてるよ!」


「そうですね〜。」


こ、こいつ、完全におちょくってきてるな…。


そんなこんなで教室に着いた。


「はい、静かしろ〜。」


担任の福居先生が入ってきた。


みんな、そそくさと机に座った。


こういうのは小学校から変わらないよな〜なんてことを考えながら私も席に座った。


「え〜、おはよう御座います。今からバスに乗るが、このクラスは2号車に乗る。間違えたりしないようにな。」


「先生!俺らそこまで馬鹿じゃないよ〜!」


誰かがそういうと、教室は笑いに包まれた。


「それもそうだな。よし、じゃあそろそろ行こう。」


(この時の生徒がバスを間違えたというのは触れないでおこう。)