「やっぱり言う。担任にも、班のやつらにも。」


「え?」


「傷の事」


過去の光景がフラッシュバックしてきた。


「なんで?」


みんなの哀れみの目。


そこから始まる恐れる目。


次にくるのは…蔑みの目。


「でも、条件を呑んだら 、言わない。」


「条件?」



「お前が俺と2人の時はお前の素でいろ」



は?


素でいろ?


「私が素でいても深澤君にいいことは無いよ?」


「ある。」


何を言ってるの?


「何が?」


「気を遣わなくて済むだろ。」


「別に気を遣わなくてもいいよ?」


「条件を呑まないならみんなに言うだけだ。」


う…。


その時、丁度学校に着いた。


「お、丁度いんじゃん。」


「え?」


後ろを振り向くと、そこには、悠がいた。


「おーい、すず「わかった。条件を呑むから言わないで」


それを言った途端、深澤君は少し口角をあげた。


「素直でよろしい。」


「だからぜった「なんか呼んだか?」