ガチャ


鍵を閉めて歩きだすが、やっぱり何か忘れている気がする。


「如月」


でもなにを…。


「如月！」


昨日は倒れて…。


「おい！如月！」


「うわ！！な、なに！？」


「俺だよ！」


「あ、深澤君か。」


ん？深澤君？


「おう、というかお前もそんな驚くんだな。」


「…。ああああああ！」


「うるさっ！なんだよ、急に！」


思い出した。


昨日、私は深澤君に…。


「深澤君、」


「なんだよ。」


「昨日のこと、誰にも言わないでね。」


「ああ、腕のき「大声で言わないで！」


ここは学校の近く。


誰かに聞かれたら堪ったものではない。「わかってるよ。」


「なら良かった。」


「というかお前、完全に素に戻ってるな」


しまった。


今からでも遅くは無い。


「何言ってるの？私は元からこんな感じだよ。」


私が愛想笑いを向けると深澤君はひどく悲しそうな顔をした。


決意を伝えた時の悠のように。


しかし、所詮は出会って数日の人間なのだ。


きっとすぐに私への興味は無くなる。