長期戦と覚悟した日から5日目。


まだ話せていない。


席の周りにたくさん行ったお陰で鈴村と仲良くなった。


今日は思い切って教室の外までついていってみることにした。


あ、如月がどっかに行くらしい。


追いかけて教室を出てみると、如月の様子がおかしい。


声をかけようと近づいた時、


如月が倒れた。


「如月!大丈夫か!?」


なんとか倒れる前にキャッチできた。


だが、声をかけても反応が無い。


どうやら気を失っているようだ。


『なに、なに?』


『どうしたの?』


『倒れたらしいぜ』


ここは廊下だからかすぐに人が集まってきた。


ここにいてもどうしようもないな。


保健室に行くか。


俺は如月を抱き上げると保健室に向かった。


『キャー!』


『あれってお姫様抱っこだよね!』


外野がうるさいが今はそれどころじゃない。


----------------------------------------------


保健室に着いたが、養護教諭がいない。


どうやら出張のようだ。


なんでこんな時に出張なんだか。


とりあえず、如月をベットに寝かせる。


担任を呼びに行くか。


職員室に向かおうとすると…


「……さい。」


え?


「ごめんなさい」


如月がそう言った。


起きているのか?


様子を見てみるがまだ寝ている。


「ころ…て…さい」


夢でも見ているのだろうか。


「殺してください。」


は?


`殺して‘?


如月は寝ながら泣いていた。


「生きていちゃいけない…存在…だから…」


なにを言っているんだ?


「痛い!やめて…!」


急に痛がり始めた。


腕を抑えて。


「ごめんなさい!許してください!」


俺は如月のシャツの袖をめくった。


ー今、思えばこの行動はあまりにも軽率だったと思う。


「なんだよ…、これ」


思わず声を出してしまった。


ーでも、この時これを見ていたからこそ今がある。


その腕は火傷のあとが広がっていた。


小さなまるい無数の跡が。


まるでタバコを押し付けられた跡が。