瑠姫side


入学式から1ヶ月がたった頃


来週は遠足だ。


今はそのことについて担任が話をしている。


6時間目。


一番眠たい時間なのにみんな目がさえている。


理由は単純。


班をどうやって決めるのか気になるから。


と言っている私も気になっている一人である。


「でみんな気になっている班だが…」


`班‘というワードがでた瞬間クラス中の視線が担任に向けられた。


「うちのクラスは浮いているやつもいなさそうだから自分達で決めていいぞ」


ワアァ!と教室が沸いた。


もちろん私もその一人。


「え~、人数は…」


先生が何か言おうとしているがみんな聞かない。


このクラスは本当にあの華木学園の生徒なのにだろうか…。


見かねた先生がこう発した。


「静かにしないと俺が班を決めるぞ。」


一気に静かになる。


なんと滑稽な姿だろう。


「人数は3~4人。必ず男女が揃うように。それじゃあ今から5分とるから班を決めろ」


先生のその言葉で班決めが始まった。


男子は仲のいい子と集まり始めた。


女子はというと…


『悠くぅん!華莉(はなり)とぉ、一緒の班にぃ、ならなぁい?』


『あぁ!華莉様!ずるいですよぉ!』


『そぉですよぉ!悠様!私もぉ!』


そろいもそろって悠君のところに行っていた。


行ってないのは私と恭夏くらい。


ほら、見るからに嫌がってんじゃん、悠君。


私は人間観察が好きだ。


最近は悠君を観察している。


そこできずいたことは2つ。


1つはほとんどの女子達の前では愛想笑いだということ。


愛想笑いというより営業スマイルかもしれない。