「好きだったんですけど…先輩今年卒業するんで勇気出して…」




——かあああっ!

顔中が熱を持つのがわかった。

「ごめん私、別の人が」

「わかってます。咲真ですよね」

ーーズキン。

何故か胸が痛む。




あれ…?

「じゃあ」

「先輩っ」

「話終わるの待ってたんですよ」と続ける彼は咲真くん。

「もー今年は特にチョコ多くてー返すの大変なんですよー…って先輩⁉︎ なんで泣いてるんですか先輩のは本命ですよ⁉︎ もしかして嫉妬して…」

「ごめん咲真くん。今から私最低なこと言う。本命チョコなかったことにして」

「えっ…なん…」





「咲真くんは」


彼の声を遮って話を続ける。





「咲真くんはモテるからすぐに彼女できるよ。それに、昨日元カノと別れたばっかりなのに私に告白するの、良くないと思うよ」




「そんな…僕は先輩が好きだからあの子と別れて…」




「嘘だよね?」




「…はい……」





「私、咲真くんのこと可愛いと思ってたよ。それを私は恋愛感情と勘違いして、咲真くんに告白しちゃったんだ」