「全部、俺が悪い…」






もうダメだ、正直上手くやる自信ない。

誰か助けて。



そんな言葉はさすがに言えない。
でも、今までないほどの弱音が涙と一緒に零れて出ていく。






「あんな最低な女達のことは忘れな?
簡単にはいかないだろうけど」






父さんはそう苦笑いを浮かべて俺を車に乗せた。






「柚子葉を幸せに出来るか不安…。」



「そんなの誰でも親になったら不安だよ」



「上手く生きていける気がしない」



「大丈夫、迷って間違って進めばいい」



「怖い。女が怖い。」






柚子と香菜。

2人の組み合わせがどんな仲なのかは知らないし知りたくもない。


でももう香菜とも友達では俺はいれないと思う。







「ゆっくり、無理には関わらなくていいさ」






こんなにも弱音ばかりで
自信が無い俺を父さんは怒らず、諭してくれるのに感謝する。






「なんでも無理したらいいわけじゃないよ。
時には友達や家族を頼っても逃げてもいいから」






そう言って笑った父さんは、車を光司達の家へと停めた。






「羽、伸ばしておいで。
光司くんから朝電話で方が着いたら家にこさせて欲しいって言われてたんだ。いい友達だね。
明日からまたしっかり父親したらいいよ。」



「父さん…」



「でも明日からしっかりしてなかったら怒るからね」






父さんはそう言って俺をおろすと、手を振って帰っていった。