それから数時間。


ようやく24時近くになって、香菜が落ち着きを取り戻した。






「ごめんね、ありがとう」



「いいよ、本当に無理しないでゆっくり休めよ」



「わかった、また明日ね」






まだ少し不安が残るが、これ以上の心配は俺の役目ではあるまい。


香菜を家まで送り届けて
ようやく24時を過ぎた頃、家に入った。






「ただいまー」






柚子の怒りと慰めをどうするか考えながら、リビングに入ると

他のみんなは寝たのか、父さんが柚子葉をあやしている所だった。






「紫苑、遅かったね」



「う、うん。
ごめん、柚子葉見るよ」



「何となく話は光司くんから聞いたけど何があったの?
柚子ちゃんかなり怒ってるよ」






そうですよねー。

怒ってリビングにも居ないのか。
なんてげんなりしつつ、柚子葉をあやすと
キャッキャッと笑ってくれる柚子葉に癒される。






「柚子葉のとこに行ってくる」



「仲直りしなよ」






父さんが心配そうに言ってくるのに頷いて
柚子葉を抱っこしたまま、部屋に入る。






「柚子、ごめんな」






部屋に入ってすぐ、柚子に謝ると
柚子はベッドど横になったまま、唇をとんがらせて怒っていた。






「普通にありえない。
どれだけ私を悲しませるの」



「うん、本当にごめん
この埋め合わせはするから」






ムスッとしたまま表情の変わらない柚子に困る俺。



完全に俺が悪いよ本当に。