最初に連れてこられたのはゲームセンター。



ゲームセンターの中でも、バスケのゲームだ。



制限時間内に決められた数をシュートできれば次のステージに進めるというもの。






「紫苑くん、バスケしてる時すごく楽しそうだからいいかなと思って」



「このゲーム得意」



「でしょ?かっこいい姿みせて!」






そう、目をきらきらと輝かせる綾瀬をみて悪い気はしなかった。



俺の好きな物をこんなに楽しそうに一緒に楽しんでくれるのは凄く嬉しい。






「よし!最後まで進んでやる!」



「頑張って!!」






綾瀬の声援を受けながら、即座に集中する。



確実に1本1本ゴールへと決めていく。
たとえ外れても動揺せず、次のことに集中。





こんなことにこんな集中使うのはどうかと思うが、遊びを全力でやるのもまた楽しいのだ。






「3、2、1!!」




「よっしゃ!!!」






カウントダウンぴったりに、目標である数まで投げきり、見事全クリア。



シンプルに楽しんでしまった。






「綾瀬、つまんなくなかった?」






俺1人がバスケしてるの見たって楽しくないだろう、申し訳ないことしたなぁと思って聞くと


綾瀬は心から楽しそうな笑顔で、首をブンブンと振る。






「すごく楽しかった!かっこいい紫苑くん独り占め出来て幸せ」



「あはは、なんだそれ?
でもよかった」






独り占めとかいつでも出来るだろ、なんて言いかけてやめた。



それは少し期待させてしまう気がしたから。